
経済産業省は、2030年度の電気保安人材について、スマート保安などの対策によって人材不足が解消する見通しであると発表しました。蓄電所やデータセンターなど、新たな設備が増える中、保安人材の確保の重要性について考えます。
人材確保対策で三種技術者が増加傾向に
経済産業省は2月19日、電気保安制度ワーキンググループを開催し、電気主任技術者をめぐる現状と人材確保の対策の進捗状況などについて報告しました。600ボルトを超える自家用電気工作物は、電気事業法によって、電気主任技術者を選任して電気保安を行うことが義務付けられています。しかし、電気主任技術者の有資格者は、高齢化などの理由によって減少の傾向にあります。
こうした状況を受けて、経済産業省はさまざまな対策を行い、人材確保に努めてきました。例えば、電気主任技術者の免状を取得する試験制度の見直しです。2022年度からは試験回数を年2回に増加し、2023年度からはオンライン形式の試験を導入しました。こうした対策によって、第三種電気主任技術者の免状取得者数は、2020年度から増加傾向に転じました。

(電気主任技術者免状取得者の推移。出典:経済産業省)
社会のニーズに合わせて主任技術者の量と質の確保を
電気保安協会が調査した2030年度に向けた人材確保の見通しによると、2021年9月時点の予測では約500人不足するとしていましたが、2023年3月時点の予想では、需給ギャップがほぼ解消するとしています。これは、これまでの人材確保対策の他、スマート保安の普及などによるものと考えられます。
しかし、足元の状況を見ると、系統用蓄電池やデータセンターなど、新たな設備が全国で爆発的に増加しており、これらの設備には電気主任技術者が必須となります。こうした市場のさまざまな変化を考慮すると、電気主任技術者の人材確保は必ずしも楽観的な状況とは言い切れない可能性があります。電気主任技術者は電気保安の要であり、有資格者の量と質の確保が喫緊の課題だと言えます。



